2011年11月12日土曜日

害することなかれ




















今日は久しぶりに暖かい。一年中こんな感じだと人間ボケるだろうか。

今朝は少し早起きして論文抄録の英訳を2件仕上げた。午後からはアーティストの浅山美由紀さんからのお誘いで、h design worksさん、不良中年夫とともに、四条畷のえにし庵で行われる「感月祭 2011 藤條虫丸と表現者達の宴」というのに出かける。

論文と言えば、先日腹部の脂肪吸引手術による死亡症例報告を続けて3件訳したのだけれど、その内容のすさまじさと、日頃あちこちで見かける美容整形としての脂肪吸引の軽薄な宣伝とのギャップに愕然とした。

さわやかな朝には相応しくない内容なので、あえてこれ以上は触れないが、脂肪吸引なんて間違ってもやるもんじゃない。医者は儲けるために施術するのだろうが、そういう人間に我が身を託す恐ろしさよ。

犬や猫だってお腹を見せる相手を選ぶというのに。

2011年11月11日金曜日

理想とリアリティの狭間

 

『しろばんば』シリーズを通じて、様々な女性が登場するが、これらの中で唯一リアルなのがおぬい婆さんであると思う。

他の女性は、井上靖の頭の中にある色んな女性のパーツを強調した、顔のない登場人物に過ぎない。洪作の母にしても、従妹の蘭子にしても、寺の娘の郁子にしても、文豪の優れた手で生き生きと描かれているものの、そのキャラクターに対する作家の見解が先に提示されているせいか、「ぜいたくに甘やかされて育った、わがままで奔放で気まぐれな都会っ子の蘭子」という一言で済んでしまう。
 
男性作家が作品の中で女性を描こうとする時、ともすれば自分の女性に対する理想を投影してしまいがちである。そうすると、どの作品を読んでも同じような女性キャラクターが登場することになる。その最たる例が村上春樹ではないだろうか。ノーベル賞獲るかもしれないけど。
  
シリーズ最後の『北の海』で、両親の住む台北へと旅立つ前に、洪作はおぬい婆さんと暮らした土蔵を訪れる。そこで死んだ婆さんに、受験した学校全部落ちたことを報告するヘタレ洪作。するとばあちゃの声が聞こえてくる、「いいさ、いいさ、坊を入れてくれんようなところへは、はいってやらんこっちゃ」。

婆さんにもっと生きていて欲しかった、と心の内を吐露すると、「いつまでも坊の傍に居たかった」と返してくれる。『しろばんば』では、あれほど憎まれキャラだったおぬい婆さん。全身全霊をかけて、ただ一人洪作を守り、愛し抜き、死んでからも彼の唯一の心の故郷である。

実は、この婆さんが井上靖の理想の女性なのではないか。そして、理想であると同時に、ここまでリアリティのあるキャラクターに創り上げた・・・これが、このシリーズが名作たる所以では、というのが今年の所感。

2011年11月10日木曜日

おぬい婆さんの亡霊





















あくまでも個人レベルの話だけれど、今年は本が不作だった。過去に読んだ本を読み返すだけで、新書購入はリサーチのみというかなり後ろ向きな読書生活だった。

重点的に読み返したのは、井上靖の『しろばんば』シリーズ。自分にとって、井上靖といえばこのシリーズだ。というか、他の作品はどれもぴんと来ない。

しろばんば→夏草冬涛(上)→夏草冬涛(下)→北の海(上)→北の海(下)

と、読破すればかなりのページ数。

もっとも、主人公・洪作がおぬい婆さんと暮らした幼少時代の『しろばんば』は話の展開が遅すぎるので、前半ほとんど飛ばし、婆さんが死んでから読んだ(ばあちゃ、ごめん)。

たぶんこれまでに10回以上は読み返しているが、今回読んで気付いたことは、自分のおぬい婆さんに対する見解の変化だ。

どのように変化したかはまた明日。

2011年11月9日水曜日

絵画教室に通う

















企画書の草案と添削が終わり、今日はこれから友人のh design worksさんとランチしに出かける。

そのランチ場所の近くにある絵画教室に通おうと、昨日見学に行ってきた。中に入れてもらうと、絵の具や粘土の匂いが懐かしかった。絵の先生は、さばさばした感じの魅力的な同年代女性。


最近何かやろうと思うたびに同年代の女性に出会うことが多いが、これはおそらく自分がいわゆる「中堅」になったせいだろうと思う。仕事や生活現場で一番動いている年代ってことね。  

焼き魚のおいしい季節になった。焼いた後の臭いと後片付けの手間を考えて、今度「魚焼きパック」というのを使ってみよう。  

Linocut: 'Two Mackerel' by Richard Bawden

2011年11月8日火曜日

本とカフェ Benedetta



この地に移り住んで、今で4年と4か月になる。越してきた当初から通い続けているのが、近所のブック・カフェ、Benedetta(ベネデッタ)。

同年代と思われる女性店主が一人で経営しているのだけれど、この人の焼くケーキやクッキーは独特の味がする。何というか、硬さや尖ったところがまったくない。有名なパティシエのケーキを口にすると、時々ガラスのような、冷たく鋭い刺激を受けることがあるけど、ここのはそれの対極という感じ。

置いてある本や店構えも同様で、すべてにおいて「ぬるい」。

通い始めた当初は、他の客を見かけることがなかった。店主さんも動きがぎこちなく、カウンターの向こうでよく色んなものを落としていた。訊けば、私が越してきた月に店を始めたばかりだという。大きな窓の向こうを眺めながらお茶を飲んでいると、後ろから焼きたてのクッキーやケーキやお茶のお代わりをおずおずと差し出してくれた。これじゃあ、とてももうからない。

案の定、しばらくすると「出稼ぎに行っています」という貼り紙とともに、店が閉まりがちになった。 私は何となく、自分がただで飲み食いしたせいではないかという気がした。

1年ほど前、店は突然復活した。店主はひと回り痩せていたが、目の奥にたくましい光を宿していた。

最近のBenedettaは、いつ行っても大抵先客がいるか、しばらくすると一人客がひっそりと入ってくる。隅で静かに勉強している学生らしき客もいる。

今度、晩にジャズ・ギターのライブをやるというので、申し込んでみた。

本とカフェ Benedetta:
http://09098605427.0843.jp/
http://ameblo.jp/benedetta203/

2011年11月7日月曜日

8ミニッツ


ダンカン・“デヴィッド・ボウイ”・ジョーンズ監督のSFサスペンス映画、『ミッション:8ミニッツ』を観た。鑑賞後のレビューの中では、「『インセプション』程複雑では無い。しかしラストの予想不可能で楽しさ8倍!」というのが一番しっくりきた。

この作品のように2時間足らずでさらっとまとめてくれると、観る側の負担も少なくていい。休憩なしで3時間なんて、一体どうしろと?(そのうちの5分間ぐらいは確実にトイレのことを考えている)  

そういや、こないだ少し無理したら、予想だにしなかった肩関節周囲炎を患った。いわゆる四十(五十)肩というやつ。  

最初は新しい筋トレ・メニューが合わず、筋肉痛を起こしたかと思っていたのだけれど、痛みがだんだんひどくなってきて、2日目には腕を上げられず、着替えや寝返りに支障が出るほどの激痛となった。筋の中心部ではなくて、その付け根、特に肩関節が熱を帯びている。  

あ、これって学校で何度も習った肩関節周囲炎だ、とようやく気がつくと同時に気が重くなった。これは長引くかもしれない。場合によっては医者に注射を打ってもらわなくてはならぬ。  

藁にもすがる思いで、前に聞いていた四十肩に効くツボというのを試してみた。痛い腕と反対側の脚の付け根(骨盤の出っ張りではなくて、その下の股関節の出っ張り)にある「大転子」を何度か強く押す。すると、10分足らずで嘘のように痛みが消えたではないか。本当にきれいさっぱり、何ともなくなった。  

もともと炎症が軽かったのかもしれないけど、恐るべし、リフレクソロジー。

2011年11月6日日曜日

花と虫


私はベランダ―である。

私は花や草木を愛す。虫とは普段、距離を置いている。

数日前、お気に入りの花の葉に小さな虫がついていることに気付いた。
気味が悪く、触る気にならなかった。
怖々と水をスプレーし、虫を洗い落とした。

今朝、葉の様子を見に行った。
小さな虫が、まだ少しついていた。
今度は水をスプレーすると同時に、素手で虫を払い落とした。
他の葉も一枚一枚チェックした。

虫への恐怖感など二の次。
花がかわいいからできることなのだと思った。

虫にはうちの花は諦めてもらいたい。