2013年1月15日火曜日

リトル・ヴォイス:声を大にして


 

昨年の心残りがいくつかある。なかなか映画を観る時間をつくれなかったこと、洋服の友の活動まで手が回らなかったこと、これという小説に出会えなかったこと。

今年はやる!と、声を大にして誓う。早速連日のようにHuluで映画を漁っているが、1998年製作のイギリス映画『リトル・ヴォイス』がわりとよかった。

大ヒットしたミュージカルを映画化したものらしいが、そのミュージカル自体、本作でヒロインを演じているジェーン・ホロックスのための書き下ろしというのだから、どれだけこの女優が製作者たちをインスパイアしたのかがうかがえる。

歌唱力だけではなく、物まねや声優業にも長けていて、ティム・バートンの『コープス・ブライド』や『クリスマス・キャロル』の吹き替えも手がけたそうだ。

ストーリーは平凡だが、渋い脇役陣とホロックスの天才ぶりが光る、こじんまりとした秀作(エンドロールにわざわざ「本作中の歌はすべて彼女が実際に歌っています」という断りが入る)。

2013年1月3日木曜日

願いごと




あけましておめでとうございます。

本日仕事始め。年末から4日半ほどの休みだと、それほどブランクを感じずに済む。というか、むしろ休みの方があれやこれやと忙しく、ようやく仕事に戻って一息つくことができた。

不思議なもので、年が変わるとともに、昨年を省みる気分もきれいさっぱり拭い去られ、考えることといえば、年始のあいさつや、これからの一年をどうしようとか来週からのスケジュール。そういう頭の自動切り替えを毎年いそいそと、まことしやかにやっている。

始めた理由はもう忘れてしまったが、十数年前から年始に願いごとを黄色い紙に書き出し、机の前に貼っておくようになった。叶うものもあれば、叶わないものももちろんある。一つ気を付けている点は、矛盾した願いごとをしないこと。矛盾している限り、それはまず叶わないことがうすうす分かってきた。

矛盾しないようにするには、自分の本当の望みを知り、それ以外は捨て去るぐらいの覚悟が必要なのだけれど、本当の望みが何なのかを教えてくれるのは、これまで経験してきた様々な「望まないこと」だったりするわけで、そう考えると人生なかなかよくできていると思う。

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Linocut by Robert Gillmor

2012年12月17日月曜日

旧田中家鋳物民俗資料館での彫金教室



「国内でただ一つ、江戸時代の姿のままで残る鋳物工場」である枚方市立旧田中家鋳物民俗資料館で一日彫金教室をやっているのを知り、たまたま作りたいものがあったので申し込んだ。 

京阪枚方市駅からバスに乗り、古い町並みを眺めながら走ること30分。JR藤坂駅から歩いて10分足らずのところに資料館はしっとりとたたずんでいた。

資料館の展示内容は期待したほどではなかったが、彫金教室はばっちり元が取れたというか、すでに細かいところまでデザインを決め、パーツまで持ち込んで、2つも指輪をつくってしまった。我ながら嫌な生徒だ。

 

一級技能士の指導と純銀の板がついて、一日受講料は2,300円と市価の半分以下。

彫金の他にも表札やランプシェードづくりなど、様々な講座が行われているそうだ。また是非参加してみたい。

枚方市立旧田中家鋳物民俗資料館:http://www14.ocn.ne.jp/~hirabun/

2012年12月11日火曜日

POMPLAMOOSE:ハッピーな気持ちにしてくれる音楽



 

Pomplamoose(パンプルムース、フランス語で“グレープフルーツ”)をご存じだろうか?

彼らの公式サイトによれば、パンプルムースとはジャック・コンテとナタリー・ドーンのことで、(米国カリフォルニアを拠点に)二人で「ビデオ・ソング」というものを制作し始めたのは2008年。 

その時のルールは2つ:
 

ルール1:画像はすべて実際の録音場面を録画したもの(口パク、エア演奏無し) 
What you see is what you hear. (No lip-syncing for instruments or voice)
 

ルール2:音源すべての録音場面を一部でも見せる(それ以外の音は無し)
If you hear it, at some point you see it. (No hidden sounds)

しかしこれらのルールは破られつつある。ルールというのはそういうものだ。
They are now breaking these rules, as rules are made to be broken.
 

その「ビデオ・ソング」を見ると、脱力感(ジャックの実家でクッキーとか食べながら録音してる)と高い音楽性のギャップに驚かされる。

ナタリーは何というか、一見「女Beck」という感じなのだけれど、その歌声やスウィングから、彼女がジョニ・ミッチェルやソロになってからのアニー・レノックスなんかが時折遊びながら吹き込んだような小作品に見られる、あのリラックスした雰囲気に特化した後継者であることがうかがえる。
 

その音楽性を高めているのが、頭頂部まで禿げ上がったマルチ・ジャックで、彼もドラムを叩く際にわざわざ片手にリンゴを持って見せたりしている。


#Another Day(クリックでYouTubeへ移動)

時代が進み、こんなにも音楽が消費され、あらゆるメロディーやサウンドは出尽くしたかのように思えるのに、いまだに新しく、ハッピーな気持ちにしてくれる音楽があるなんて。


それぞれソロでも活動しているが、それはそれでまた違う雰囲気になり、特にジャックは器用さが前面に出すぎてサウンドに隙が無く、時に面白味に欠けるかもしれない。パンプルムースの時はもう少し手を抜いてね、ジャック。
 

Pomplamoose公式サイト:http://www.pomplamoose.com/

2012年11月20日火曜日

So happy birthday



 

昨夜は最近お世話になっているコーディネーターのUさんと北浜で打ち合わせ。KAKi作品を見て声をかけてくださって以来、色々な企画をご提案いただいている、貴重な人である。

その前日は軽く仕事をしてからアンティークショップ「Muse Antiques」さんで作品入れ替えをし、ルシ夫がグループ展に参加した心斎橋のフォトギャラリー「壹燈舎」での打ち上げに紛れ込み、その後近くの料理屋で二人の誕生月を祝った。 

その前々日は京都・西陣のおばんざいや「空まめ」さんでh design worksさんとランチし、作品を入れ替え、空まめさんに作品をお買い上げいただいたばかりか差し入れまで頂戴した後、叡電で一乗寺へ。駅近くの「むしやしない」というかわいらしいケーキ屋さんを教えてもらい、この店の名物で15,000円も近くするケーキ鍋、「むしやしなべ」に目が釘付けになった。

写真↑はその日h design worksさんからいただいた誕生日祝いの指輪。お友達でガラス作家のInoya Makikoさんにオーダーしてつくってもらったとのこと。お二人のセンスに感服しつつ、それから毎日つけている。

h design works/interior design:
http://hdesignworks.sub.jp/ 

Inoya Makiko:
http://inoyamakiko.com/ 

むしやしない:  
http://www.648471.com/

2012年11月13日火曜日

翻訳者オフ会と鬼海弘雄写真展『PERSONA』



 

先々週、大阪・新世界にて翻訳者オフ会なるものに参加した。

集まった6人はそれぞれ英語、ロシア語、中国語、フランス語が専門で、分野もバックグラウンドもばらばら。翻訳会社経営者や兼ミュージシャンの方もおられ、多様な顔ぶれだった。
 

このメンツで串カツ片手にしゃべるわ、飲むわ。しかも仕事の話はつーかーで、胸のすく思いがした。
 

よく考えたら、セミナーやワークショップ以外で同業者と交流するのは、長い翻訳者生活においてこれが初めてかもしれない。昔はこういう集まりが苦手だったが、そう悪くないものだと認識を新たにした。

先週は、兵庫県・伊丹市立美術館にて鬼海弘雄写真展『PERSONA』を観た。実家がすぐ近くなので、この辺りはちょくちょく訪れる。


鬼海作品はかなりのパンチがあった。特に浅草やその周辺に棲息する人間を撮ったペルソナ・シリーズ。怪しげな商売人やホームレスらしき人々、女装趣味者も大勢含まれている。こうしたワイルド・サイドを実にかっこよく、ひとりひとりがドラマの主人公でもあるかのように撮る。

実際、私たち誰もがそれぞれの人生ドラマの主人公なのだ。だから胸を張って、精一杯毎日を生きる―――被写体の強い眼光は、そういう鬼海氏の信念の表れかもしれない。 

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伊丹市立美術館: 
http://artmuseum-itami.jp/

2012年11月1日木曜日

『ル・コルビジェの家』と超・切り絵



久しぶりに大阪・梅田ガーデンシネマに出かけ、アルゼンチン映画『ル・コルビジェの家』(原題:El Hombre de al Lado -隣の男-)を観た。ル・コルビジェといっても、別に歴史的建築学的作品でもなんでもなく、「被害は避けられない(Las Victimas No Se Eligen)」とサブタイトルにもあるように、ややこしい人間ドラマだ。
 

次から次へと起こる隣人との厄介なトラブル。主人公は神経衰弱ぎりぎりまで追いつめられる。しかし観る側は深刻になるどころか、だんだん笑いがこみあげてきて、これはしてやられた、という気持ちになる。絶妙なセンスの持ち主らが集まって、「こういうシチュエーションって最悪だけど、あるよね?」とげらげら笑いながら撮ったような作品。最後のエンドロールまで見事だった。

その他、別の日に兵庫県立美術館で観た『バーン=ジョーンズ展』(イケメン揃い)や、h design worksさんに連れられて京都・高台寺で鑑賞した切り絵画家の蒼山日菜の個展もよかった↓






0.3mmの線で描いた細密画を忠実に切り抜く彼女のレース切り絵は、もはやアクロバットというしかない(実際、シルク・ド・ソレイユのポスター等にも採用されたらしい)。


切り絵を鑑賞した後は、h design worksさんとライトアップされた京都の秋の夜の風情を堪能した。