2011年9月15日木曜日

エリオット・アーウィット展






 













マグナムの重鎮だったエリオット・アーウィットの写真展を観に京都の何必館に行ってきたが、まあ館内構造の不便なこと。

狭い縦長のビルなのに、階段が無く、エレベーターが1機あるのみ。しかも、なぜか作品の展示が1階→3階→地下となっていて、そのたびにエレベーター前の長蛇の列に並ばなくてはならなかった。

この小美術館は、いつもわりといいイベントをやっているので、この点だけが残念だ。  

でも犬の写真(↑)がとてもかわいかったので許します。

2011年3月1日火曜日

壊れた脳 生存する知 / 山田 規畝子









「脳卒中患者は確実に増えている。40歳以上の男性の半数近くに高血圧があるとされる今、その数が減ることはないし、比較的若年でも、脳卒中に見舞われるケースが珍しくなくなっている。幸か不幸か一命を取りとめたら、いやでも何かしらの高次脳機能障害とつき合っていかなければならない」(本文より) 

・・・まさしく。その時、本書は以下の点で役立つだろう:

①高次脳機能障害の社会的認知度を高める。バリアフリーの具体的提案も多い。
 

②医師という立場から医療のあるべき姿を鋭く指摘している。
 

③脳卒中のベテランとして、疾患を楽しみながら「科学」している。
 

④妻、母、生活者としての視点を盛り込んでいる。
 

⑤ここまで重篤な右頭頂葉障害の記録は世界的、医学的に貴重である。

いのちの輝き―フルフォード博士が語る自然治癒力 / ロバート・C・フルフォード, ジーン・ストーン











人生本として読む。

かわいい女、犬を連れた奥さん / チェーホフ









恋愛についてやたらと考えさせられる今日この頃。

チェーホフのように男のことも女のことも見抜きまくっていたら
どうなっていただろう?

恋愛そのものもアホらしくてする気にならなかったか。

いや、さらなる真理と奥義を求めて、もっと恋愛してそうだ。

男と女は、チェーホフの描くそのまんまの振る舞いをする。
20年前もそう思ったし、今もそう思う。

2011年2月1日火曜日

Ella & Oscar / Ella Fitzgerald & Oscar Peterson

 
  
大人の音楽、というか、感性です。
人生の業火をくぐり抜け、精製された真髄だけを軽やかに、ウィットとともに歌い上げる。  

ジャケットを見ても分かるように、ここでのオスカーはエラに仕える従僕のような伴奏に徹しています。
そのようにして抑えても抑えても、なおも華のあるオスカーの演奏。
そして、そのさらに上を行くエラの歌。  

エラ好き、オスカー好きには神からのプレゼントのような一枚です。

ジャズ・サンバ / チャーリー・バード スタン・ゲッツ










昨夏、このアルバムを聴きながら、いくつもの階段を上り下りし、テーマからテーマへと渡り歩き、多くの人々とディスカッションしなくてはならなかった。「適応せよ」と、スタン・ゲッツの天才が言い含める。

適応せよ、新しいフィーリング(ボサ・ノヴァ)に。


「・・・クスリなしでは無理だけど」というオチがありそうだけれど、とにかく彼は死んでなお、その神々しいぐらいのチャーミングなプレイで、昨夏の私を鼓舞し続けた。


怖がらないで、新しいフィーリングの中に身を任せるんだよ、と彼が言っているように聞こえる。

土曜の夜 / トム・ウェイツ















 トム・ウェイツの『土曜の夜』を用いた古典的(パブロフの犬的)条件づけ:

無条件刺激:バーボン・ソーダ

 

無条件反応:血中アルコール濃度の上昇
 

条件刺激:『土曜の夜』
 

条件反応:『土曜の夜』を聴くだけで血中アルコール濃度上昇
 

その応用:家の中、会社の中、電車の中、『土曜の夜』であらゆるシーンがバーと化す。