リトル・ヴォイス:声を大にして
昨年の心残りがいくつかある。なかなか映画を観る時間をつくれなかったこと、洋服の友の活動まで手が回らなかったこと、これという小説に出会えなかったこと。
今年はやる!と、声を大にして誓う。早速連日のようにHuluで映画を漁っているが、1998年製作のイギリス映画『リトル・ヴォイス』がわりとよかった。
大ヒットしたミュージカルを映画化したものらしいが、そのミュージカル自体、本作でヒロインを演じているジェーン・ホロックスのための書き下ろしというのだから、どれだけこの女優が製作者たちをインスパイアしたのかがうかがえる。
歌唱力だけではなく、物まねや声優業にも長けていて、ティム・バートンの『コープス・ブライド』や『クリスマス・キャロル』の吹き替えも手がけたそうだ。
ストーリーは平凡だが、渋い脇役陣とホロックスの天才ぶりが光る、こじんまりとした秀作(エンドロールにわざわざ「本作中の歌はすべて彼女が実際に歌っています」という断りが入る)。