「国内でただ一つ、江戸時代の姿のままで残る鋳物工場」である枚方市立旧田中家鋳物民俗資料館で一日彫金教室をやっているのを知り、たまたま作りたいものがあったので申し込んだ。
京阪枚方市駅からバスに乗り、古い町並みを眺めながら走ること30分。JR藤坂駅から歩いて10分足らずのところに資料館はしっとりとたたずんでいた。
資料館の展示内容は期待したほどではなかったが、彫金教室はばっちり元が取れたというか、すでに細かいところまでデザインを決め、パーツまで持ち込んで、2つも指輪をつくってしまった。我ながら嫌な生徒だ
一級技能士の指導と純銀の板がついて、一日受講料は2,300円と市価の半分以下。
彫金の他にも表札やランプシェードづくりなど、様々な講座が行われているそうだ。また是非参加してみたい。
枚方市立旧田中家鋳物民俗資料館:http://www14.ocn.ne.jp/~hirabun/

Pomplamoose(パンプルムース、フランス語で“グレープフルーツ”)をご存じだろうか?
彼らの公式サイトによれば、パンプルムースとはジャック・コンテとナタリー・ドーンのことで、(米国カリフォルニアを拠点に)二人で「ビデオ・ソング」というものを制作し始めたのは2008年。
その時のルールは2つ:
ルール1:画像はすべて実際の録音場面を録画したもの(口パク、エア演奏無し)
What you see is what you hear. (No lip-syncing for instruments or voice)
ルール2:音源すべての録音場面を一部でも見せる(それ以外の音は無し)
If you hear it, at some point you see it. (No hidden sounds)
しかしこれらのルールは破られつつある。ルールというのはそういうものだ。
They are now breaking these rules, as rules are made to be broken.
その「ビデオ・ソング」を見ると、脱力感(ジャックの実家でクッキーとか食べながら録音してる)と高い音楽性のギャップに驚かされる。
ナタリーは何というか、一見「女Beck」という感じなのだけれど、その歌声やスウィングから、彼女がジョニ・ミッチェルやソロになってからのアニー・レノックスなんかが時折遊びながら吹き込んだような小作品に見られる、あのリラックスした雰囲気に特化した後継者であることがうかがえる。
その音楽性を高めているのが、頭頂部まで禿げ上がったマルチ・ジャックで、彼もドラムを叩く際にわざわざ片手にリンゴを持って見せたりしている。

#Another Day(クリックでYouTubeへ移動)
時代が進み、こんなにも音楽が消費され、あらゆるメロディーやサウンドは出尽くしたかのように思えるのに、いまだに新しく、ハッピーな気持ちにしてくれる音楽があるなんて。
それぞれソロでも活動しているが、それはそれでまた違う雰囲気になり、特にジャックは器用さが前面に出すぎてサウンドに隙が無く、時に面白味に欠けるかもしれない。パンプルムースの時はもう少し手を抜いてね、ジャック。
Pomplamoose公式サイト:http://www.pomplamoose.com/

昨夜は最近お世話になっているコーディネーターのUさんと北浜で打ち合わせ。KAKi作品を見て声をかけてくださって以来、色々な企画をご提案いただいている、貴重な人である。
その前日は軽く仕事をしてからアンティークショップ「Muse Antiques」さんで作品入れ替えをし、ルシ夫がグループ展に参加した心斎橋のフォトギャラリー「壹燈舎」での打ち上げに紛れ込み、その後近くの料理屋で二人の誕生月を祝った。
その前々日は京都・西陣のおばんざいや「空まめ」さんでh design worksさんとランチし、作品を入れ替え、空まめさんに作品をお買い上げいただいたばかりか差し入れまで頂戴した後、叡電で一乗寺へ。駅近くの「むしやしない」というかわいらしいケーキ屋さんを教えてもらい、この店の名物で15,000円も近くするケーキ鍋、「むしやしなべ」に目が釘付けになった。
写真↑はその日h design worksさんからいただいた誕生日祝いの指輪。お友達でガラス作家のInoya Makikoさんにオーダーしてつくってもらったとのこと。お二人のセンスに感服しつつ、それから毎日つけている。
h design works/interior design:
http://hdesignworks.sub.jp/
Inoya Makiko:
http://inoyamakiko.com/
むしやしない:
http://www.648471.com/

先々週、大阪・新世界にて翻訳者オフ会なるものに参加した。
集まった6人はそれぞれ英語、ロシア語、中国語、フランス語が専門で、分野もバックグラウンドもばらばら。翻訳会社経営者や兼ミュージシャンの方もおられ、多様な顔ぶれだった。
このメンツで串カツ片手にしゃべるわ、飲むわ。しかも仕事の話はつーかーで、胸のすく思いがした。
よく考えたら、セミナーやワークショップ以外で同業者と交流するのは、長い翻訳者生活においてこれが初めてかもしれない。昔はこういう集まりが苦手だったが、そう悪くないものだと認識を新たにした。
先週は、兵庫県・伊丹市立美術館にて鬼海弘雄写真展『PERSONA』を観た。実家がすぐ近くなので、この辺りはちょくちょく訪れる。
鬼海作品はかなりのパンチがあった。特に浅草やその周辺に棲息する人間を撮ったペルソナ・シリーズ。怪しげな商売人やホームレスらしき人々、女装趣味者も大勢含まれている。こうしたワイルド・サイドを実にかっこよく、ひとりひとりがドラマの主人公でもあるかのように撮る。
実際、私たち誰もがそれぞれの人生ドラマの主人公なのだ。だから胸を張って、精一杯毎日を生きる―――被写体の強い眼光は、そういう鬼海氏の信念の表れかもしれない。
KAKiブログも久々に更新しました↓
http://kaki-apple.blogspot.jp/
伊丹市立美術館:
http://artmuseum-itami.jp/
先日、編集者兼ライターの二村志保氏と天満橋でランチをいただきながら、仕事と健康という二大テーマについて語り合った(恋愛と美についてはほとんど話題にならなかった)。
健康面において今一番自分を悩ませているもの、それは右手首の痛みである。「手根管症候群」とも呼ばれるこの症状、原因ははっきりし過ぎるほどはっきりしている:
いい加減、手を酷使するのをやめなさい!(他が原因でなる場合も多いのでご注意。)
二村氏も笑っていたが、朝から晩までPCのキーを叩き、それが終わったら猛烈な勢いで野菜を刻み、余暇はアクセサリーをせっせと作っている。先週末は実家においてあるピアノを数時間も弾いた。筋トレと称してウェイトを持ち上げるわ、腕立て伏せはするわ、自分が手なら、とっくの昔に反乱を起こしているだろう。
特にアクセサリーは、最近ブログを更新していないからといって、もう早飽きたんだろうなどと思わないでいただきたい。この間ひたすら新シリーズの商品開発に取り組んでいたのだ(KAKiブログ参照:http://kaki-apple.blogspot.jp/)。
手が動かなくなったら、生活のすべてにおいて待ったなしに困る。とりあえず、今晩から手を使うのを控えよう。用事のある方はできるだけメールではなく、電話をください。

先日、初めて福島原発事故関連の案件が入ってきた。放射能汚染の心理的影響に関するものだったが、事故から1年半以上が過ぎ、データの蓄積に伴って、今後こうした報告が増えてくると思われる。
しかし、そのような生々しい報告に対する世界の関心はというと、人間自分がイタい思いをするまでは、所詮は対岸の火事。 チェルノブイリ原発事故にしても、同国の報告書に対する国際機関の態度は、科学的慎重さというより、無関心が先立つように見える。
日本も例外ではなく、以前はチェルノブイリなど、社会主義国家のありえない不手際が招いた事故として、冷ややかな目で見ていたのではないだろうか。
その昔、仕事でスロヴァキアの田舎へ行った際、黒く美しい森を指しながら、地元住民が「ここで採れるきのこや木の実は最高だった。でも今じゃ放射能に汚染されているから採取は禁じられている。老人達は採って食べてるけどね」と話してくれたのを思い出す。
その時、この人たちはロシア人のことをどう思っているのか、考えるだけでも暗い気持ちになったが、この図式でいうと、今回の原発事故について日本人は、ただ被災者・被害者として発電所、東電、日本政府ら悪玉に腹を立てているだけでは済まない立場にある。