2012年7月5日木曜日

優雅な生活が最高の復讐である















 


最近の自分のドタバタは、優雅な生活とは程遠い。親からは、「何事もほどほどにしておきなさい」と口を酸っぱくして言われている。朝はできるかぎり早くから、晩は目を開けていられなくなるぎりぎりまで、とにかく起きていたいのだ。やりたいことがあるから。

優雅ではないが、これが自分なりのliving wellなのかもしれない、"living life to the fullest(最もフルに生きる=精一杯生きる)"って言うしね、などとひとりごちてみる。

なぜ優雅さにこだわるかというと、愛読書の一つに『優雅な生活が最高の復讐である(C・トムキンズ著、新潮文庫)』というタイトルの本があり、これがいつのまにか座右の銘のようになっているためである。

背表紙には、「あのフィッツジェラルドが憧れ、『夜はやさし』のモデルにしたという画家ジェラルドとセーラのマーフィー夫妻。1920~30年代の文化人たちの群像を浮き彫りにしたノンフィクションの名著(一部略)」と書かれている。フィッツジェラルドとは、もちろんあの『華麗なるギャツビー』の作者のことだ。

芸術に造詣が深く、人柄やウィットにも恵まれた上流階級者マーフィー夫妻は、フランスでそれは優雅な生活を送っていた。しかし後半、ドル大暴落後の長い不況時代に突入するや否や、次々と不幸が降りかかる。子供も、3人のうち2人までも短期間のうちに亡くしてしまう。

しかし、マーフィー夫妻はめげなかった。「夢の家の屋根が美しい居間に崩れ落ちてきたとき、最高に勇敢だった」。

復讐とは、おそらくこの過酷な人生への復讐を意味するのだろうが、優雅に生きることでなされる復讐は、苦しい時ほどインパクトが大きいということを本書から学んだ。忙しい時、焦り不安な時なども同様かと思う。


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