2012年8月25日土曜日

フランクルの『夜と霧』






















先日、たまたまNHKの番組(100分de名著:Eテレ毎週水曜日11:00~11:25)で高名な精神医フランクルのベストセラー、『夜と霧』が取り上げられていたので、思わず見入った。

この本はかなり昔、いわゆる「アウシュビッツもの」を読むのが辛すぎてダメだった時期に、一度手に取りながらも書棚に戻した記憶がある。

でも今回はぴんと来たので、即座にアマゾンに注文した。数日後、ちょうどそれを読み終わる頃には、ルシ夫が申し合わせたように同番組のテキストを買ってきた。

そんなわけで、ここ最近はフランクルの思想にどっぷり浸かっている。

『心理学者、強制収容所を体験する Ein Psycholog Erlebt das Konzentrationslager 』という原題のこの本は、ナチス収容所での体験を内側から見た貴重なドキュメンタリーだが、その内容は決して専門的、あるいはジャーナリスティックなものではない。

「言語を絶する感動」と評され、新訳者をして「そこにうねる崇高とも言うべき思念の高潮に持ち上げられ、人間性の未聞の高みを垣間見た思いがした」と言わしめたように、テーマは普遍的である。人間の偉大と悲惨をあますところなく描きながら、読後に一生分の希望をもたらす。

こんないい本に出会えて、今年はなんていい年なんだ(どうりで色々と悩み深いと思った)。しかもまだあと4か月も残っている。ちなみに、「100分de名著」のフランクル特集もまだあと1回残っている↓ 

NHK「100分de名著」8月の名著:
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/14_frankl/index.html#box04