2012年2月19日日曜日

いのちの輝き:フルフォード博士が語る自然治癒力




















最近、「プレ更年期」という言葉を耳にするようになった。体温計のTERUMOは、「最近では30代後半~40代半ばの女性でも、更年期障害に似た症状に悩まされているケースが増えてきています。このようなケースが『プレ更年期』なのです」と定義している。

なぜそういうケースが増えてきているのかというと、全般的に(何でもかんでも)訴えが増えていることに加え、現代社会特有のストレスや環境汚染の影響が色濃い。つまり、昔の女性がじっと我慢してやり過ごしていたようなことを、何かと甘やかされてきた現代の30代後半~40代半ばの女性が声高に訴えているが、以前は存在していなかったか、それほどひどくはなかった様々な問題が起きているのも事実なので、それらとの関連で彼女らの訴えにも耳を傾けるべきだというわけ。もっとも、メタボ同様、こうした訴えに最も熱心に耳を傾けるのは製薬会社や医療機器メーカーだろうが。

あちこちで取り上げられているプレ更年期の症状を見ると、自分にも思い当たる点がいくつもある。いずれも、ほんの5年前には感じなかったことだ。閉経期を迎えているか否かの違いだけで、症状的にはプレも普通の更年期もさほど変わりないらしい。 

ここで自分の人生本の一つ、『いのちの輝き:フルフォード博士が語る自然治癒力』(翔泳社)のこのくだりを思い出す: 

「配偶者にたいする配慮でつぎに重要なのは、自分の健康を維持するということである。わたしの患者に、閉経期特有のイライラや不快感がひどくなり、夫にあたりちらして、結婚生活を破たんに追い込んだ婦人がいる。カルシウム剤をしっかりのんでからだのバランスをととのえれば治るものを、それをのむ余裕もなく、イライラを募らせていたのである」(第6章「健やかな生、穏やかな死」:結婚生活より) 

カルシウムは「骨や歯を丈夫にする」以外にも、筋・神経の重要な情報伝達を担っている。上記の文章は一見、「カルシウムが不足するとイライラする」という一般的誤解を煽るようだが、博士が言っているのは「更年期はホルモンのバランスが崩れ、普通なら非常に安定しているはずの体内カルシウム濃度が低下することから、骨粗しょう症や自律神経失調症などからだの不調をきたしやすい。それがイライラのもとになるので、まずはカルシウムを補給してからだのバランスをととのえよう」ということだと思う。 

自分が注目したのは、改善の余地があったものを、無知ゆえにこじらせ、大切なものまで失ったという、この気の毒なケースが示唆するところの教訓(女性たちよ、知恵を働かせ、自衛せよ)だ。 

本書はオステオパシー医学の権威であったフルフォード博士の知恵と愛に満ちあふれている。特に第7章「霊性を高める」には、どれほど大きな影響を受けたか計り知れない。その真価が本当に分かるのはこれからである。